在宅血液透析とは

在宅血液透析とは

2006年、透析量と生命予後との関係で国際的なDOPPS研究(Dialysis Outcomes and Practice patterns study)や日本透析医学会の統計調査結果で透析時間の延長、透析量の増加で死亡リスクが低下する事が報告されました。また、ヨーロッパのガイドラインでも十分な残存腎機能がない患者さんでは、週あたり3回以上かつ週あたり12時間以上の透析が最低限必要であると、積極的な透析量の増加を推奨しています。ただ、本邦での外来血液透析の保険診療は時間に制限があり、透析量の増加に限界があります。そのような状況下、1998年に初めて在宅血液透析が保険適応になりました。在宅血液透析は自宅で自分のライフスタイルに合わせた腎代替療法です。例えば1回5時間、週4回など様々なバリエーションで容易に透析量を好きな時間に増やすことができるようになりました。まだまだ少数であるものの、この在宅血液透析をやることで生活の質(QOL)や生存率の向上(患者選択にバイアスあり)が可能であると報告されてきています。特に透析患者さんの生命予後規定因子であるリンのコントロール、血圧コントロールが容易になるため在宅血液透析は十分利にかなった腎代替療法の一つと思われます。

この治療法を行うためには施設において十分な教育訓練を受け、医療施設の指示に従い、一人に対して一台患者宅に設置された透析機器を用い、患者家族の協力のもと患者宅で行う血液透析治療です。基本的に自分で穿刺を行うことを条件とし、自己責任、自己管理による治療であることに同意してもらいます。もし、興味があれば当クリニックに相談してください。